2019年12月15日、東京のど真ん中・赤坂に50人を超える「モリオカン」が集まりました。
何の話かというと、リトルもりおかが初めて開催したイベント「リトルもりおかサミット」です。「モリオカン」って何かって? この記事を読んでいるあなたも、実はすでに「モリオカン」なんですよ。詳しい説明はのちほど。50人以上の笑顔と熱気であふれたサミット当日のレポートをお送りします。首都圏で、まだ知らない「盛岡」に出会う旅。その第一歩目を振り返ります!
首都圏に散らばる、まだ知らない盛岡に出会う旅へ
11月9日にキックオフを行い、新たなスタートを切ったリトルもりおか。首都圏の若者世代が盛岡をキーワードにゆるくつながり、楽しいワクワクするようなことをしようというコミュニティです。各種SNSでの情報発信(♯リトルもりおか)のほか、盛岡名物の福田パンを東京で食べる「リトルもりおかブランチ」などのイベントも行いました。こうした活動を通じて少しずつ規模を拡大してきましたが、「首都圏のもりおかな人たちともっとつながりたい!」との思いから企画したのが今回のサミットです。テーマは旅。参加者が「自分の知らなかった新たな盛岡」に出会う機会になってほしい、という期待が込められています。
東北酒場トレジオンポート
会場は東京・赤坂の「東北酒場トレジオンポート」。東北各地の食材を生かした料理や地酒・地ビール・ワインなどが楽しめるお店です。首都圏の東北関係者が集う場所でもあるため、ご存じの方も多いはず。当日はお店の許可をいただいて、事務局メンバーが会場を盛岡らしく装飾しました。リトルもりおか特製の旗などのほか、リトルもりおかのイベントでカメラマンをしてくれている@YUBOPHOTOさんによる、盛岡の美しい風景写真を掲示した一画も。あわせて「盛岡本」なども展示し、即席の「盛岡・岩手コーナー」をこしらえました。
美しい盛岡の風景写真と盛岡グッズで彩られたコーナー
この日のために、リトルもりおかTシャツも製作。Tシャツは普通にお店で販売していても購入したくなるような、おしゃれなデザインになりました(製作にあたっていただいた金原さん松村さん、改めてありがとうございました!)。
リトルもりおかの特製Tシャツ。おしゃれ!
盛岡への愛を記す「盛岡エモーションボード」も用意!
サミットはSNSなどで告知し、なんと当日は52人もの参加者が集まってくれました。リトルもりおかは一応、20~30代の若者世代が対象になっています。それを反映してか、この日のサミットは、参加者の平均年齢がなんと29歳! この種のイベントとしては、あまり聞かないくらいのすさまじい若さ。すごい。開始時刻の17時(ちょっと過ぎ)。いよいよサミットスタートです!
賑やかに盛り上がる会場
盛岡に関わるひとたち=モリオカン!
サミットの司会を務めた事務局のタンノさん。宮沢賢治も過ごした岩手大学「自啓寮」の元寮長です
事務局による挨拶
まずは事務局メンバーによる挨拶と趣旨説明。その中で登場したのが「モリオカン」というワード。その意味するところは「盛岡に関係する人たち」。盛岡出身者も、進学や就職で盛岡に暮らした人も、旅行で滞在した人も、そして「まだ関わりはないけど、これから盛岡に関わりたい」という人も、みんなあまねくモリオカンです。盛岡出身者はネイティブモリオカン、出身地を問わず盛岡愛の強い人はディープモリオカン、関わりがまだ浅めの人はライトモリオカン、なんて言葉も飛び出しました。
これらはあくまでリトルもりおか事務局による自称です。また、ライトよりディープが偉いなんてこともありません。「盛岡に関わる人はみんなモリオカン」、この記事ではこれだけ覚えてください。だから盛岡にもリトルもりおかにも特に関わりがなく、なんとなくこの記事を読んでいるだけの方も、すでに「モリオカン」です!
サミットに集まった皆さんは、もちろんモリオカン!
リトルもりおかは「盛岡でゆるくつながり、楽しいことをしよう」という趣旨でスタートしました。「楽しいこと」をさらに突き詰めると、「ワクワクするようなことを、モリオカンなみんなで実現していこう!」ということです。
たとえば、最近事務局に加わった自称ライトモリオカンことリバーさんは「大好きな盛岡や岩手を世界中に発信したい。(サミットのような)イベントやSNSを通じて、僕の好きな盛岡をどんどん広めていきたい」と熱く語ってくれました。
「盛岡、岩手を世界に広めたい」と語るリバーさん
盛岡を世界中に広めるためにも、まずは若者に盛岡を発信しよう!ということで、キックオフから継続してSNSでの発信も続けています。Facebook、Twitter、Instagramに加えて最近Pinterestも始めました。当サイトのライターも引き続き募集中です。興味のある方はお気軽にご連絡ください。
首都圏で盛岡とつながる大切さ。盛岡のカケラを集めた地図
今回のサミットは、盛岡市の「盛岡という星で」プロジェクトの一環でもあります。盛岡市からは担当の佐藤さんをはじめ、数人の関係者の方に参加していただきました。
「盛岡という星で」プロジェクトについて、「盛岡から東京に出る人たちは多い。でも時間が経ってから、盛岡の良さに気付く。でもあとから気付いても、盛岡に戻ってこられないというのがすごく嫌なんです。だから、若いうちから盛岡とつながりを持てるように、と思っています」と狙いを説明する佐藤さん。もちろん、リトルもりおかの趣旨とも重なります。ちなみにこの日のイベント、会場に全く知人がいなかったけれどSNSなどで知り参加した、という人が2人もいました! すごい!
「盛岡という星で」について説明する佐藤さん
また、密かに製作を進めていたリトルもりおかマップもお披露目されました。キックオフイベントのワークショップで作った、首都圏の「盛岡のカケラ」を集めた4枚の地図。グーグルマップ上でこれらを集約、かつアップデートしてきたものです。ベアレンビールなど盛岡のお酒が飲める飲食店、石川啄木や原敬ら盛岡の偉人ゆかりの史跡など、都内をはじめとする首都圏には思った以上に「盛岡のカケラ」が散らばっていました。その数なんと74スポット!(2019年12月15日現在) 地図担当のユウゴさん曰く「モリオカンによるモリオカンのための地図」。好きなルートを登録することもできるので、岩手関連の酒場放浪ルートや、史跡を巡るブラタモリ的なルート、ランニングコースなど多様な活用が可能です。モリオカンの皆さんで、どんどん内容をアップデートしていきましょう。
地図の説明をするユウゴさん(中央)
そうこうしているうちに、盛岡の地ビール・ベアレンビールや、岩手県産の食材を使ったお料理が運ばれてきました。今回のイベントはお酒と食べ物も目玉です。細かい話はあとにして、まずは乾杯!
「盛岡に乾杯!」
旅のエキスパート・中村雅人さんによるスペシャルトーク
さて、第1回リトルもりおかサミットのテーマは「旅」。これは事務局のリョウさんが世界一周経験のある旅人であること。そして旅は「さまざまなワクワクと出会う機会」であることから、これから色々なワクワクを実現していかんとするリトルもりおかの船出のテーマに選びました。
そして本日のゲストも旅のエキスパート。世界一周学校校長の中村雅人さんです。
スペシャルゲストの中村雅人さん
雅人さんは世界100か国以上を訪れ、国内外でさまざまな活動を展開している方です。リョウさんと世界一周仲間というご縁もあり、特別ゲストとしてお招きしました。キャンピングカーを盛岡市で購入したり、リョウさん主催のツアーで盛岡を訪れるなど岩手・盛岡とも関わりがあります。
世界を回る中で得た学びや経験を各地で伝える活動のほか、ご自身もさまざまな挑戦を続けているとか。なんと、南極でマラソンをした経験などもご披露されました。マイナス10度以下の環境で走るという、常人には想像のつかない世界。日常生活では想像する機会すらない雅人さんの経験談の数々に、会場は一気に引き込まれました。
会場の様子
雅人さんが世界一周中に撮影した写真や映像をまとめたムービーにも大きな反響がありました。エチオピア、アイスランド、ナミビア、トルクメニスタン……。会場にいた多くの人にとっては、「名前は知っている。でも行ったことはない」という国々だったのではないでしょうか。雅人さんが実際に訪れて歩き、現地の方々や旅行者と交流した様子は、漠然と脳内にあった各国のイメージに具体的な輪郭を与えてくれたような気がします。
さまざまな旅行の経験がある雅人さんにとっての「旅」とはどんなものなのでしょう。「僕にとっての旅は、『自分が知らない世界に行く』こと。海外だけでなく、日本国内でもどこでもいい。自分が知らない世界へどんどんチャレンジしていくことが旅」と雅人さん。ただ距離の移動ということではなく、未知の世界に自分からアプローチしていくことが雅人さんにとっての「旅」ということでしょうか。雅人さんはそれを「新世界への挑戦」という言葉で表現しました。
「正解ではなく挑戦を」
インパクトのあるお話ばかりでしたが、特に印象に残ったのがサハラ砂漠で行われた「世界一過酷なマラソン」のエピソード。世界一周に出たからにはいろいろチャレンジしたい!と雅人さんが挑戦したもので、なんとその走行距離は250キロ! 食料などの荷物を背負いながら何日もかけて走るそうです。日が経つごとに負傷なども増えていき、非常に過酷な状況だったそうですが、結果は見事完走。そうした経験から雅人さんが得たのは、「常識や限界はどんどん広がっていく」という実感だそうです。
サハラマラソンを終えた2週間後、ドイツで行われたフルマラソンに参加した雅人さん。スタートラインに立ったとき「もうすぐゴールだ」という思いが脳裏によぎったとか。もっともっと過酷な状況下でのマラソンを経験しているからこそ、普通のフルマラソンはハードルが低く感じられた、ということでしょうか。「チャレンジしていくことで、いままで難しいとかキツいと思っていたことが楽しく思えたりする。そこから僕はチャレンジすることがすごく好きになりました」と雅人さん。スケールが大きすぎますが、言わんとすることは伝わります。
正解ではなく挑戦を
雅人さんが最後に伝えてくれたのは「正解ではなく挑戦を」というメッセージ。「自分がやりたいと思ったことがあるなら、道がなくてもそこに突き進んでいけたら、人生はずっと旅になるんじゃないかと思う」と雅人さん。そして「世の中の正解ではなく、自分がやりたいと思ったことにみんなが挑戦していく世界になれば、みんなが幸せになる」という力強い言葉。世界を巡る中で、自分自身の「やりたい」に向き合い挑戦し続けている人の言葉だからこそ、説得力があります。
このメッセージは、「盛岡という根っ子でつながる人たちで、ワクワクするような楽しいことをしよう!」というリトルもりおかの理念にもつながります。義務感や負担感のないように、それぞれのできる範囲で、ワクワクすることを実現していきたい。社会の正解よりも、関わるメンバーそれぞれの「やりたい」を大切にしたい。それに共感する人たちが集まって協力すれば、その「やりたい」はきっと実現できる。
「盛岡にも新しいことをやりたい、という人はたくさんいると思う。僕もできることがあったらぜひやりたい」という言葉を雅人さんからもいただきました。リトルもりおかも「ワクワクするやりたいこと」にちょっとずつでも挑戦していけたらいいですね。
熱く盛り上がったリトルもりおかサミット、前編のレポートはここまで! 参加者の盛岡愛・古里愛が爆発する後編に続きます!
写真:@YUBOPHOTO
文章:シュン
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