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オンライン盛岡帰省マップ「Kozukata」制作の舞台裏-前編

リトルもりおかが制作した「Kozukata」、みなさん楽しんでいただけましたでしょうか。「Kozukata」はGoogleEarthを使い、盛岡にオンライン帰省できるオリジナルマップです。
おかげさまで多くの方にオンライン帰省していただき、新聞等にも取材していただきました。

さて、今回はそんな「Kozukata」の誕生秘話について、メインで制作を担当したリトルもりおか運営のユウゴさんにお話をうかがいました。
企画のきっかけ、反響についての受け止め、今後の展開……盛りだくさんの舞台裏を前後編でお届けします。

オンライン盛岡帰省マップ「Kozukata」

オンライン帰省マップのきっかけは、盛岡へのオフライン帰省

――「Kozukata」を企画したきっかけを聞かせてください。

きっかけはふたつあります。まずは昨年(2019年)末に、GoogleМapsで東京のリトルもりおかマップを作っていたとき、たまたまGoogleEarthの機能を発見したこと。GoogleEarthはもともと、旅行の思い出の共有などの目的で使われているものらしいんですが、スポットにコメントや動画、写真を掲載できると知って、面白いなと。オリジナルコンテンツを作成するには、GoogleМapsよりも使い勝手がよさそうだなと思いました。

 

もうひとつのきっかけは、昨年末から今年のお正月にかけての盛岡への帰省です。リトルもりおか運営のグループラインで、首都圏から盛岡に帰省したみんなが、盛岡市内の行きつけのお店やスポットの写真を続々と投稿していました。それが意外と盛り上がったし、とても楽しかった。自分が知っている盛岡の魅力を共有することは、盛岡を好きな人にとっては楽しいことなんだなとわかりました。

 

――ひと口に盛岡といっても、出身地域や行動範囲が違えば、行きつけのお店やお気に入りのスポットは大きく変わってきます。

そうそう、みんな盛岡に帰ったときに行くところが違いますよね。住んでいた場所や生きてきた流れによって個性が出ます。

私は社会人になる前に盛岡を離れたから、飲み屋さんとか飲食店は全然知りません。だからみんなの行きつけの飲み屋さんとかがとても新鮮でした。ほかの人のお気に入りスポットを教えてもらうことが、現在盛岡を離れているモリオカンにとってはいまの盛岡の姿を知ることにもつながるなと。

いま話したふたつのきっかけはそれぞれ別の事柄なんですが、「もしこのふたつを融合したら、みんなで共有できる面白いものができるんじゃないか?」という発想から始まりました。

 

「私が好きな盛岡のスポット」がたくさん集まった「Kozukata」

 

――時期的には、いつごろから構想があったんでしょうか。

運営メンバーでミーティングをした今年の3月半ばぐらいかな? 現在の「Kozukata」とは違う形だったんですが、GoogleEarthを使って何かやれないか、とは考えていました。

そのときはカメラマンのYUBOPHOTOくんが撮影したきれいな写真を集めた作品的な地図を作ろうかと思っていたんです。もしくは、盛岡在住の方々からおススメスポットを募って地図に落とし込むアイディアもありました。我々のように盛岡を離れている人たちに向けて、「盛岡に帰省したらここに行くといいよ!」とおススメしてもらう地図ができないかなと。

そういう地図を制作して、お盆や年末年始の帰省シーズン前にお披露目して、盛岡滞在中に楽しんでもらえればいいなと思っていました。「盛岡に帰省する楽しみをつくる」ことができればいいな、というのが初期の構想でした。アイディアはいつもシャワーを浴びている時に浮かぶので、マップ構想段階では、アイディアを忘れないように必死で浴室から出てくる日々でした(笑)

 

実際の帰省同様、オンライン帰省も盛岡駅から!

 

「さあ、盛岡に帰るぞ!」という能動的なストーリー

――初期の案は、あくまでオフラインで盛岡に帰省する際に活用してもらう地図だったんですね。それがオンライン帰省マップに変化したのは、やはり新型コロナウイルスの影響があったのでしょうか。

うーん。いま思い返すと、何が現在の「Kozukata」になった転機だったんだろう? まだ地図が現在の「Kozukata」になる前、GoogleEarthを実際にいじり始めて……スライドを使えることもわかり、スポットとスポットとの間を移動する際のズームイン・フェイドアウトの動きを自分自身が体験して。そのときに、見ている人の主観で、実体験に近いコンテンツを作れるんじゃないか、と思ったのが転機だったかもしれません。
たとえば動画は受動的に見るものだけど、この地図なら自分の目線で「さあ、盛岡に帰るぞ」という能動的なストーリーを作りやすいような気がしたんです。

 

――「Kozukata」では地図上のあるスポットから次のスポットに移動する際、いちどフェイドアウトして地図を俯瞰する状態になってから、次のスポットにズームインします。この動きが、能動的な動きということですね。

そうです。それにスポットのメニューから自分が行きたい場所を選んで、好きな場所を訪れることもできます。それに動画で映像をただ見せられるよりは、自分が体験しているような気持ちで見られる主観の映像に近いコンテンツを作れるんじゃないか、と思ったんですね。自分がその世界に入り込んでいるような気持になれるんじゃないかなと。

 

――実際にユウゴさん自身がGoogleEarthを使ってみて、現在の「Kozukata」になったわけですね。

はい。ただ、運営メンバーだけでは盛岡のスポットの数も多く挙がらないだろうし、写真も少ないだろうと。それにただ写真だけを載せても面白くないなと思って、モリオカンの皆さんにお気に入りのスポットとコメント、写真を募ってみたら予想以上に集まりました。それが「Kozukata」を作るうえで、「これしかないな」という最後のダメ押しになりました。

 

「Kozukata」では、モリオカンの皆さんが寄せてくれたコメントも閲覧できます

 

――Facebook上のリトルもりおかのコミュニティーでスポットとコメント、写真を募集したんですよね。

そうそう。コメントは200弱。写真も130枚くらいいただきました。「懐かしい!」などの短いコメントも含まれているけど、それは盛岡のお気に入りのスポットを集めるということそれ自体をみんなが楽しんでくれたからなのかなと。

そしてコミュニティーのなかで楽しめたということは、コミュニティーの外に出しても、盛岡を知っている人であれば誰でも楽しめるものになるんじゃないかと考えました。

 

新たな盛岡の魅力を発見し、たくさんのドラマに触れる地図

――実際の「Kozukata」制作の作業はほとんどユウゴさんにお任せしてしまいました。1人での作業は大変だったんじゃないですか?

それが、意外とそうでもなくて。実際の作業時間を計算すると5日間くらいかな? 写真をアップロードしてコメントを打ち込むだけなので。ただ在宅勤務期間だったから、時間に余裕があったのは大きかったですね。あとは単純に自分自身が作業を楽しめたから、あまり苦に感じなかったというのはあるかもしれません。

みんなが挙げてくれたスポットのなかには私自身知らないものもあって、作業する中で「盛岡のその地域にそんなスポットがあるのか」という新たな発見がありました。スポットに関するコメントでは小さいころの思い出を書いてくれた人もけっこういて、いろんな人のドラマや思い出に触れながら作業できたのも楽しかったです。

それに盛岡全体を俯瞰して見ることって普段まず無いから、「スポットAとスポットBって実は近かったんだ!」という驚きもあって、「次はAに行ったらBにも寄ろう」とか考えながら、楽しく作業できました。

 

――ユウゴさんが知らなかったスポットで、印象的なものはありますか?

YUBOPHOTOくんが挙げていた白滝親水公園です。あとは特定のお店ではないけれど、みんな桜山界隈への愛が深いなと思いました(笑)

 

※桜山 盛岡城址のそばにある、飲食店が集まるエリア。素敵な喫茶店も昔ながらの居酒屋もたくさんあり、昼夜を問わず多くの人でにぎわう。

 

白滝親水公園 @YUBOPHOTO

スポットにまつわるひとつひとつのストーリーは完全に主観なんだけど、主観がすごくたくさん集まるとある意味客観に近づくというか、誰かしらの心には響くドラマになるなと感覚的に思いました。そして、「自分が知らない経験」なんだけど自分の心には響いているから、知らない経験なのになんとなく懐かしさを感じるという。

 

――ユウゴさん自身が地図制作の最中から、そうした楽しさを実感していたんですね。

はい。だから実際にリリースすれば、全員にとは言わないけど、盛岡にゆかりのある人にはそれなりに楽しんでもらえるはずだという実感はありました。

それと、モリオカンのみなさんがたくさんの写真を提供してくれたのは、やはりとても大きいことでした。GoogleEarthで見られるviewだけじゃちょっと弱かったと思います。みんなが実際に撮影した写真があれだけあったから、いいものになったかなと。YUBOPHOTOくんのきれいな写真もたくさんありましたし。みなさんに改めて感謝したいです。

 

寄せられた写真やコメントからは、モリオカンそれぞれの思い出がにじみます

 

制作終盤まで「オンライン帰省」の意識は無かった!?

――新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、4月ごろから日本政府も「ゴールデンウィークはオンライン帰省を」と推奨していました。「Kozukata」を作りながら、「オンライン帰省」という言葉は意識していたんですか?

実は「Kozukata」の作業中も、この地図が「オンライン帰省」のコンテンツだという意識は無かったです。「この地図って実はオンライン帰省だよな」って思い始めたのは、作業のけっこう終盤。確かにストーリー的には、利用者に実際に帰っている気分になってもらうという狙いで作っていたんだけど、それがオンライン帰省だとは思っていませんでした。(リトルもりおか運営の)マリコさんに、「この地図ってオンライン帰省ですよね!?」って指摘されて、「ああ確かに、言われてみればそうか」とようやく思いました(笑)

盛岡を実際に歩いているような気分を味わえるウェブ上のコンテンツとして作っていたら、気付いたらオンラインで盛岡に帰省できるコンテンツになっていたわけです。

 

――結果的にオンライン帰省コンテンツになっていたと。面白いですね。

オンライン帰省といっても、地元の家族や友人とただ話すだけじゃ味気ないかもしれない。それを補完するものとして、オンライン通話やオンライン飲み会の時に「こんなお店あったよね!」と盛り上がってもらえればうれしいです。

――盛岡限定ですが、通話だけのオンライン帰省をさらにパワーアップできるのが「Kozukata」なのかもしれませんね。後編では、今後の展望なども引き続き聞かせてください。

聞き手:シュン

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