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利用者それぞれの立場で楽しむ盛岡 「Kozukata」制作の舞台裏-後編

リトルもりおかがGoogleEarthを活用して制作した、盛岡へのオンライン帰省マップ「Kozukata」。誕生秘話の後編をお届けします。

今回は、ゴールデンウィーク期間のオンライン帰省マップとして生まれた「Kozukata」の今後の活用方法を中心に、引き続きメイン担当のユウゴさんにお話を聞いていきます。

 

オンライン帰省マップ「Kozukata」

盛岡の観光マップとしても活用できる「Kozukata」

――今年のゴールデンウィークは終了しました。今後の「Kozukata」の活用法について何かお考えはありますか?

 

ひとつは、「Kozukata」の初期案だった「盛岡のいま」を共有するものになればいいですね。盛岡在住の方から「こんな新しいお店ができたよ」「このお店がお取り寄せのサービス始めたよ」と、首都圏のモリオカンに伝えてもらったりできればいいなと。

「リアルもりおか」の要素をさらに追加していくことで、新型コロナウイルスの感染拡大が収まった後に、また盛岡を訪れる楽しみをアップできると思います。お取り寄せ情報などあれば、盛岡の飲食店さんを首都圏から応援していけるかもしれないし。

「Kozukata」は今回オンライン帰省として作ったけど、それにかぎらず盛岡の観光マップとしても活用してもらえればいいですね。出身者や、盛岡への旅行経験のある人でも「こんな知らないスポットがあったんだな」と思ってもらえる。

盛岡市が進めている盛岡の関係人口づくりにも、役立てられるかもしれません。新型コロナ禍のオンライン帰省コンテンツとしてだけでなく、今後も末永く活用してもらえればと思います。

盛岡にかかわる情報を掲載するプラットフォーム的な活用もできるかもしれない。「Kozukata」を見れば何かしら楽しい情報が見つかる、という地図にできればいいですね。

 

――観光マップをはじめ、オンライン帰省に限らず「Kozukata」の活用方法はたくさんありそうですね。

 

観光マップとしての活用は、実は自分がずっとやりたかったことです。「Kozukata」の特長は、いま現在盛岡に暮らしている人だと出てこないようなスポットが載っていること。「Kozukata」に掲載されているスポットを挙げたのは、盛岡を出て離れて暮らしている盛岡出身者・関係者。彼らが挙げた盛岡に帰ったら絶対に行きたいスポットは、より客観性を持った盛岡らしいスポットになっているんじゃないかと思います。

実際に盛岡に暮らしている人だと、当たり前すぎて「こんなの普通じゃん」と思っているようなお店や場所も、きっと我々は盛岡らしいスポットとして「Kozukata」に挙げているはずです。在住者では恐らく出てきにくいような盛岡らしさがあるのが、「Kozukata」とほかの観光マップとの違いかもしれません。

知る人ぞ知る場所も掲載されているのが「Kozukata」の特長です

 

――確かに、近所の人は知っているけど地域外の人にはあまり知られていないようなお店や場所も「Kozukata」には掲載されています。

 

観光マップとして「Kozukata」を見ると、日常感や親しみやすさがありますよね。その意味で、盛岡市が進めている関係人口づくりの取り組み、たとえば「盛岡という星で」などにも親和性があるのかもしれない、と思います。目指すところに重なる部分があると感じます。

 

観光と日常の視点が同居し、誰もが盛岡を「自分事」にできる

――観光と日常という、一見すると別のベクトルを向いているものが、「Kozukata」という地図には同居しているわけですね。両方を一度に楽しめるというのは「Kozukata」の魅力ですね。

 

そうそう。どちらにしても、イメージしやすいですよね。初めて盛岡に旅行しようという人も事前のイメージを膨らませやすいし、盛岡に移住したいという人も「実際に盛岡で暮らしたらこんな感じなのか」という日常の雰囲気をなんとなく想像できる。

「Kozukata」の目次の終盤には、「(飲み会終わりの)〆はペイワンか香醤か」というネタを仕込んだんですが、実はあれも日常らしさの演出なんです。盛岡の人が大通りで飲むと、そんな感じの雰囲気になるのかな、という(笑)

サタデーモリオカンでその話題が出て、参加者がかなり盛り上がっていたので、これは両店に行ったことのある人ならきっと共感できる部分なんだろうなと思って「Kozukata」に盛り込みました。

盛岡での飲み会の〆の定番

 

そして最後のスライドにある「さあ帰ろう。明日は、どこへ行こうか」は、盛岡在住の人も、帰省中の人も、旅行中の人も、誰にでも当てはまる言葉として考えました。

利用者が自分の立場に引き寄せて「Kozukata」を楽しめるようにしたかったんです。誰でも「自分事」として捉えられるような世界観づくりは、「Kozukata」制作にあたって意識しました。

 

※サタデーモリオカン 不定期で開催されているモリオカンによるオンライン交流会。盛岡の喫茶店、お気に入りのスポットなどのテーマで参加者が盛岡愛を語り合う。お酒を飲みながら楽しむことも。

 

――「明日は、どこへ行こうか」も利用者の立場によって意味が変わってきます。利用者が自分の立場でストーリーを作れるよう、言葉を選んだわけですね。

 冒頭のスライドも今回は帰省という視点で作りましたが、できるだけ「人それぞれの帰省」という形になるようにしたつもりです。ただ、石川啄木ゆかりの場所である上野駅に誘導してしまっているので、「盛岡に帰省するとき、上野駅は使わないよ」という人にとっては違和感があるかもしれません。私自身も東京駅から帰省しますし(笑)

帰省する人の感情にはあえて触れず、「さあ、いまから盛岡に帰るんだ!」という気分を盛り上げるような演出にしました。

石川啄木ゆかりの上野駅。東京から盛岡に帰る気分が盛り上がります

実際の帰省よりたくさんの場所を巡ることができる!

――製作者の立場から、利用者に特定のストーリーを押し付けないような演出にしていたわけですね。いい意味で、利用者にとってどうにでも受け取れるような。

 

実はその点はひそかに重視していたところです。ただ、それでもある程度のストーリーを作ることで、より利用者が「Kozukata」の世界に入りやすいようにしました。入り込みやすくするためのストーリーは作りつつ、実際に「Kozukata」を活用するときには自分の立場に引き寄せて、自分だけのストーリーとして活用できるようにしたかった。両者の微妙なバランスは意識していましたね。

 

――「Kozukata」は新聞にも取り上げていただきましたが、印象に残る利用者の感想などはありましたか。

 

「作ってくれてありがとう」という感謝の言葉もいただき、うれしいですね。Twitterなどでは「本当に行った気分になる」という感想もあったり。あとは「実際に帰省するよりもたくさんの場所に行った気分になれる」という感想は印象的でした。実際に帰省すると、行きたいところがたくさんあっても時間がなくてすべて行けないことも多いですよね。そういう意味では「Kozukata」が役に立てたのかなと。

もうひとつうれしかったのは「ついつい全部見てしまう」という感想。「ちょっとだけ見ようと思ったら、面白くてぜんぶ見てしまった」という。盛岡在住者の方でもそういう感想を言っていた人がいて、それはとても印象に残っています。すでに説明した通り、最後まで見てもらうと「Kozukata」としてのストーリーがつながるようになっています。拾い読みでも楽しんでもらえるように作りましたが、やっぱり最後まで読んでもらいたい気持ちはあったのでその点はうれしかったです。

「Kozukata」では目次を選ぶことで、たくさんの場所を訪れることができます!

今後も「Kozukata」をどんどん活用していきます!

――最後に、改めて制作全体を振り返っての感想をお願いします。

 

これまでリトルもりおかとして活動してきた、いろんな要素をつなぎあわせることができたのがうれしかったです。リトルもりおかとして発信してきた記事だったり。

単純に写真やコメントを見て終わり、というだけではないコンテンツにできたのが大きかったし、作っていて楽しかったですね。リトルもりおかを通じて知り合ったモリオカンの皆さんの写真や思い出のコメントがたくさん集まったからこそ、楽しめるマップになったと思います。

ゴールデンウィーク終了後も「Kozukata」のスポットは増え続けていますし、今後もぜひ活用していきたいです。昨年制作した東京のリトルもりおかマップもスポットをどんどん拡充していきたいですね。

 

――ぜひふたつのマップを活用していきましょう。お話いただきありがとうございました!

 

聞き手:シュン

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