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インタビュー

【スポットライトモリオカン】 「歌声を盛岡に響かせたい」。ボーカリスト佐々木実央さん(「ゲスの極み乙女。」「indigo la End」サポートコーラス)

盛岡を離れて活躍している方々にスポットライトを当て、盛岡との関わり方や盛岡愛をうかがい、さらに次のインタビュー対象者を紹介していただくリレー形式のインタビュー企画「スポットライトモリオカン」、第3回目をお送りします。

前回お話を伺った音楽家の村上千秋さんのご紹介で、ボーカリストの佐々木実央さんにご登場いただきます。今回も、オンラインでお話をうかがいました。

ヴァイオリンで学んだ音楽観と“シダックス”で鍛えた歌声

――盛岡との関わりについて教えてください。

小学校から高校卒業までの18年間、盛岡で過ごしました。出身は坂道が多い東新庄です。大学進学で上京した後は住んではいませんが、毎日のように盛岡のことを考えています。今朝も南部せんべいを食べました(笑)。現在は東京を拠点にフリーランスのボーカリストとして、「ゲスの極み乙女。」や「indigo la End」のサポートコーラスを務めています。

――すごい!あの「ゲスの極み乙女。」のコーラスがモリオカンとは知りませんでした。歌や音楽は、いつ始めたのですか。

私にとっての最初の音楽は4歳に始めたヴァイオリンでした。歌は小学生の時に所属した合唱部がはじまりです。母が女性合唱団に所属していて、父もジャズバンドをやっていたので、音楽が身近にある家庭だったのかもしれませんね。中学、高校は運動部に所属し、ヴァイオリンは続けていましたが、特に“歌をやろう”とか、“合唱をやろう”という考えはなかったです。ただ、歌うこと自体は大好きで、カラオケにはめちゃくちゃ行っていました(笑)。休日は自転車で、友達と大通りのシダックスに行っては、当時流行っていた曲を歌っていました。特に好きだったのは宇多田ヒカルさんで、今でも影響を受けています。振り返れば、このカラオケ通いが、大学でバンド活動を始めるきっかけだったのかもしれません。

発表会でヴァイオリンを奏でる佐々木さん

――きっかけは大通りですね!進学を機に盛岡を出たそうですが、やはり東京へ行きたいという思いがあったのでしょうか。

実は、盛岡を出る気は全くありませんでした。大好きなので。盛岡は田舎だけど、お洒落なところや綺麗なところが沢山あって、汚いところはあまりない。中津川や上ノ橋、内丸も。“こんなに美しいところに住んでいられるのは幸せだ”、となんとなく思っていました。東京への憧れがあったわけでもないですし。でも、いざ大学受験をしてみたら東京女子大学(以下、東女)に合格して、“今盛岡を出なければ、一生出ないだろうな”と思って、勢いで上京を決めました。

「歌を続けたい」の想いを貫き、つかんだチャンス

――盛岡が生んだ偉人、新渡戸稲造が初代学長を務めた東女に導かれたんですね。そこでバンド活動を始めたと。

そうですね。東女では、大学の枠を越えて、9大学の学生が集まる「インターカレッジ(以下、インカレ)」の軽音サークルに所属しました。そこで、今一緒に活動している川谷絵音さん(「ゲスの極み乙女。」、「indigo la End」のボーカル)に出会ったんです。インカレのメンバーは東女だけで60人ほどいたので、今思えば、その中で出会ったこと自体が奇跡ですね。当時、川谷さんが通っていた東京農工大学と東女はキャンパスが近いこともあり、一緒に活動することが多かったです。川谷さんは1つ先輩で、「怖い人」と聞いていましたが、実際に会ってみると優しい人でした(笑)。音楽に関しては、やっぱり格好良かったですね。ガーッとギターを弾いて上手に歌えるのはもちろん、なにより存在感がすごかったです。在学中は「indigo la End」のレコーディングに呼んでもらっていましたが、就職後はつながりがなくなりました。そのころ、「ゲスの極み乙女。」の活動がはじまって、有名になり遠い存在になっていきました。

――卒業後すぐに歌を仕事にしたのではなく、就職されたんですね。

当時、音楽でご飯を食べていこうなんて微塵も思っていなかったので。でも新卒で入った会社は合わず半年で辞めてしまって。再就職して営業の仕事をしていました。その頃、音楽は、数カ月に1度のペースで、趣味でバンド活動をしている程度でした。そんな中、バンドでライブをやったら、川谷さんが見に来てくれたんです。そこで「コーラスをやってほしい」と頼まれて。大学時代のように“レコーディングのサポートかな?”と思っていたら、ツアーライブだったんですよ!それから1年間、ツアーと仕事を両立しました。全国をまわったので、仕事が終わってすぐに岡山に行ったり、福岡から帰ってきてそのまま出社したり、あっという間に有給休暇がなくなりました(笑)。“両方続けるのは厳しいな”と思っているとき、「もう仕事やめたら」と言われて。その言葉をきっかけに、“どちらか一つしか選べないなら歌をやりたい!チャンスは今しかない”と決断しました。

――ドラマチックな展開ですね!現在は人気バンドのサポートなど幅広く活躍していますが、苦労もありますか。

「ゲスの極み乙女。」や「indigo la End」で歌うときは常にすごいプレッシャーがあります。サポートコーラスと言っても、ソロパートもあるので失敗したらどうしようか、と。2016年には、日本武道館のステージで、コーラス2人だけで歌う場面もあって。人生の中で、こんなことが起こるなんて思ってなかったので、すごく緊張しました。緊張しすぎて詳細を覚えていないんですが。。。。(笑)

ライブステージに立つ佐々木さん

常にパワーをもらう盛岡に、いつか歌で恩返しを

――日本武道館で歌うなんて想像がつかないです。今年は「ゲスの極み乙女。」の盛岡公演も予定されていたと聞きました。

そうなんです。「CLUB CHANGE WAVE」(盛岡市大通り)で、盛岡で初めての公演が予定されていたんです!いつも川谷さんに「盛岡を入れてください!盛岡を入れてください!」と頼んでいたので、念願叶っての公演でした。東北は、これまで青森と仙台にツアーで行ったことがあるのですが、盛岡はなかなか実現できなくて。ただ今年はコロナの影響でなくなってしまいました。親も楽しみにしていたので、とても残念です。来年、振替公演を実施予定なので、ぜひ見に来てください!

――今回は残念でしたが、振替公演が今から楽しみです。バンドメンバーの方は盛岡の食べ物が好きだったりしますか。

盛岡から東京に戻った直後にリハーサルがあるときは、お土産を買っていくことがあって、ドラムの「ほな・いこか」さんは南部せんべいが大好きです。川谷さんは「萩の月」が好きだった気がします。。。。仙台銘菓ですが(笑)。私は福田パンのあんバターが大好きで、必ず買っていきます。別格の食べ物です。来年の振替公演では、福田パンをメンバーに差し入れたいです!あとは冷麺も食べてほしいですね。

―佐々木さんと話していると、本当に盛岡への愛が伝わってきます。SNSでも盛岡を発信していますよね。

ボーカリストとしての活動に限らず、常に盛岡からパワーをもらっています。家族のこと、中津川や県民会館など情景もよく目に浮かびます。SNSでもみんなに盛岡を知ってもらいたくて、“冷麺食べたい!”とか、発信してしまいます。ご飯が美味しくて、街が綺麗で、人が優しい。とにかく大好きなんです。

“好きな場所”という材木町の光原社



―佐々木さんにとって盛岡とはなんでしょうか。

私そのもの、アイデンティティです。絶対に切っても切れないものだと思うし、当たり前というか。今は東京にいて、距離は離れているけれど、常に盛岡にいる気持ちですし、そういう気持ちで歌っています。いつか、大好きな盛岡で私の歌が流れたらいいなって思います。知っている風景の中で、私の声が流れたら素敵です。

―歌声響く盛岡、楽しみです。最後に大きな舞台で活躍する佐々木さんから盛岡の若者にエールをいただけますでしょうか。

新型コロナウイルスの影響やテクノロジーの発展によって、盛岡にいてもできることが増えました。東京に出てこなくたっていろんなことができるようになったので、常にアンテナを張っていてほしいです。そして、チャンスをものにして、学んだことや経験したことを盛岡に還元してほしいです。私もこれから少しずつ還元していければと思います。

佐々木実央(みお)さん

盛岡市東新庄生まれ。高校まで盛岡で過ごし、新渡戸稲造が初代学長を務めた東京女子大学に進学。サークル活動を通じて川谷絵音さんら現在の仲間と出会う。卒業後、一時期は一般企業に勤めるも音楽活動に専念するために退職。現在はフリーランスのボーカリストとして、バンドのボーカルのほか、「ゲスの極み乙女。」や「indigo la End」のサポートコーラスを務める。愛称はササミオ。

SNSアカウント:TwitterInstagram


聞き手:リョウ

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